電子処方箋において医療機関、薬局共に患者様のデータを蓄積することで、医薬分業本来の目的である、医療サ...
電子処方箋の現状と今後の課題
本記事では、厚生労働省によるアンケートやお知らせから電子処方箋の現状や今後の展開、そして運用時の注意点をピックアップしました。
徐々に増える利用可能施設
1月26日から電子処方箋管理サービスが始まり運用が開始しました。「厚生労働省 電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」によると、対応施設は徐々に拡大していく予定であるそうです。
(参照)厚生労働省 電子処方せん対応の医療機関・薬局についてのお知らせ電子処方せん対応の医療機関・薬局リスト(5月14日時点)
導入施設からの指摘事項を踏まえて
電子処方箋導入施設では、これまでシステム・運用面に大きなトラブルは無くおおむね順調に稼働していますが、 更なるシステム改善や機能拡充のため、いくつかの指摘事項が挙げられました。その中から今後は、①オンライン資格確認の口頭同意②リフィル処方箋の対応 ③院内処方の対応 の実施が検討されています。
(参照)厚生労働省の第12回健康・医療・介護情報利活用検討会資料4 電子処方箋について
薬剤情報の閲覧で得た効果は?
事例なしが7割以上しかし…
電子処方箋の利用状況や課題・好事例を調査するアンケート(実施期間:令和5年2月7日~令和5年3月8
日)が厚生労働省によって行われました。過去の薬剤情報等が処方を考えるうえで参考になった事例は、マイナン
バーの利用や薬剤情報提供の過去履歴を参照できるケースが少なかったため、7割が事例なしという結果でした。
しかし具体的な事例も挙げられています。少ない事例ではありますが、データの蓄積とその利活用は患者様により
良い医療を提供するきっかけになります。
- 重複や過去治療歴の確認ができた。
- 院内処方でお薬手帳にも記載されていない、把握していなかったお薬を確認できた。
- 歯科受診などが確認でき、注意すべき薬剤について 指導できた。
電子処方箋運用後の注意すべきこと
運用前から言われていた薬剤情報の閲覧については、実際の意見でも「効果的である」という声が多い結果ですが、その他運用時における注意についてもご紹介します。運用イメージの参考になさって下さい。
枝番号の入力漏れ
電子処方箋には枝番号の入力が必須のため、処方箋登録でエラーが発生。レセコンの登録情報の確認が必要
受付済み処方箋
電子処方箋を応需しようとすると既に別の薬局で受付済み登録されていた。途中でキャンセルになった際の「処方箋受付取消登録」は忘れずに
調剤時の閲覧方法
電子処方箋管理サービスの閲覧が出来ないため、タブレットや別途印刷を用意する必要があった
➡P-CUBEnでは、印刷機能を活用下さい!
(参照) 令和4年度 厚生労働省医薬・生活衛生局委託事業 オンライン資格確認等システムの基盤を活用した電子処方箋に関するモデル事業一式 中間報告書