経営課題だった「発注の作業時間」「不足薬」を改善  
~ AIによる医薬品の需要予測サービスの導入効果とは ~

経営課題だった「発注の作業時間」「不足薬」を改善
 ~ AIによる医薬品の需要予測サービスの導入効果とは ~

しいのみセンター薬局 外観

しいのみセンター薬局

・一般社団法人 ファルマネットぎふ しいのみセンター薬局
・月間約5,000枚の処方箋受付、スタッフ25名で運営。
・外来以外にも、居宅・施設・特養への訪問も実施。在宅患者、約70名にも対応。
・健康サポート薬局、地域連携薬局の認可を取得。

・AI医薬品需要予測(P-CUBE オプション)

レセコンで入力した調剤実績や在庫実績のデータをクラウドの活用によって、AI による医薬品の需要予測を行います。医薬品の発注業務において、最適な発注品目・数量を提案し、在庫金額や業務時間の圧縮、欠品による機会損失の防止などを実現するソリューション。

・1営業日あたり2名で計約3.5~4.5時間かかる発注作業、ひと月約30件発生する不足薬が経営課題
・医療事務へのタスクシフトによって、薬剤師の対物作業を削減したい

・医薬品の発注にかかる時間が半減
・導入10か月後には、不足薬が8割削減
・対物業務を1日3~5時間削減

課題AI医薬品需要予測 導入前AI医薬品需要予測 導入後
発注にかかる作業時間2名で3.5〜4.5時間1名で1〜2時間
ひと月の不足薬件数30件10か月後、6件
対物業務

薬局全体で3~5時間削減

今回取材した薬局について 【一般社団法人 ファルマネットぎふ しいのみセンター薬局】

岐阜県内に4店舗の保険薬局を持つ “一般社団法人 ファルマネットぎふ”。月間約5,000枚の処方箋を受付している “しいのみセンター薬局” は、グループで最も大きい店舗です。所在する岐阜市北山地区では、高齢者夫婦の2人暮らし世帯が多く、店舗では居宅・施設・特養への訪問も実施し「かかりつけ薬局」「かかりつけ薬剤師」として地域医療を支えています。

今回は、しいのみセンター薬局 中澤薬局長・早川事務長・医療事務で医薬品発注担当の合田さん・山田さん(以下、発注ご担当)から、ユニケのAI医薬品需要予測サービスの導入理由とその成果についてお話を伺いました。

1営業日あたり2名で計約3.5~4.5時間かかる発注作業とひと月30件発生する不足薬が経営課題

早川事務長:
医薬品の在庫管理には以前からシステムを使っています。活用する事で納品時の伝票入力や発注作業の手間は軽減されましたが、課題は残っていると考えていました。一点目は、医薬品の発注を担当している医療事務2名で、1営業日あたり計約3.5~4.5時間かかる作業時間です。そして二点目は、ひと月に約30件発生する不足薬への対応でした。

しいのみセンター薬局 局内

しいのみセンター薬局 局内

中澤薬局長
不足薬が発生すると、何よりも医療人として患者さんに申し訳なく、心苦しく思います。発生時には、患者さんへ状況を説明しますが、中には残念ながらクレームになる場合もあります。患者さんへの説明後には、医薬品の融通先を探すために、他店舗や近隣の薬局へ連絡します。すぐに見つからない場合には、スタッフで手分けして連絡をする事もあります。そして、融通の手配が済み次第、患者さんへご連絡します。その後、該当の医薬品を受け取り、患者さんにお届けします。この対応を薬局のスタッフ2~3名で90分くらい費やして行っていました。

医療事務のタスクシフトによって、薬剤師の対物作業を削減したい

中澤薬局長:
0402通知以降は、薬剤師による対物業務を削減したいと考えていました。そのためには、薬局全体でその時間を創出する必要があります。店舗では、1日に200~250枚の処方箋を受付し、在宅医療の対応も行い、高齢者向けの栄養補助食品やおむつ、OTCの販売などもしています。これらの業務をスタッフ25名で常に忙しく対応している状況のため、薬剤師だけではなく、医療事務も含めた薬局全体での見直しを行う必要がありました。

早川事務長:
薬局全体での見直しを取り組んだのは、経営課題だった医薬品の発注にかかる作業時間の短縮と不足薬をなくす事でした。これらの解決には、対応するサービスの導入が必要と考えていましたが、レセコンとの一体型であることで、スタッフは使い慣れたシステムでの操作となり負荷が抑えられると考えていたので、ユニケから仕入在庫管理のオプション機能「AI医薬品需要予測」について案内があって、すぐに検討を始めました。そして、シミュレーションでの効果検証と局内での運用イメージができたので導入しました。

医薬品の発注にかかる時間が減少

- 「AI医薬品需要予測」導入後の成果を教えてください -

早川事務長:
「AI医薬品需要予測」の導入前は、長きにわたり発注を担当している医療事務2名で3.5時間から4.5時間が必要でしたが、導入後は、AIが一体型となったレセコンで、処方入力した調剤データや来局動向をもとに需要予測を行い、最適な発注候補が提案されるため、従来行っていた1品ごとの発注点の設定や担当の経験に頼った発注量の調整が不要になりました。その結果、導入後約半年で1時間から2時間に減少しました。

導入10か月には、不足薬が8割削減

早川事務長:
導入して半年後くらいから、不足薬も確実に削減していきました。導入前は月30件ほどありましたが、10か月後には6件になりました。

発注ご担当:
ユニケのAIによる発注データの抽出処理では、発注の条件を調剤金額や使用頻度などのランクごとに細かく設定することで、より適切なAIによる需要予測を行ってくれます。またひと月に1度も使用しない需要予測が困難な医薬品などは、AIによる抽出処理の対象から除外して、発注勧告リストで発注の参考となる直近の調剤日や患者数などの情報を確認しながら、個別に発注する運用を行い、より高い精度での発注に繋がっています。

対物業務に係る時間を1日3~5時間削減

中澤薬局長:
発注に関する作業時間が1時間ほどに削減したことに加え、医療事務で発注担当の2人がつきっきりで作業を行う必要がなくなりました。今では、AIが発注データを抽出している時間を使って、2人には薬剤師が行っているピッキングなどの対物業務の補助を行ってもらい、営業時間の中で対物業務に係る時間が薬局全体で3~5時間ほど削減できるようになりました。そして、この時間を薬剤師は、服薬指導や薬歴の記載に充当することができていて、薬局全体での改善に繋がったと考えています。

対物業務にかけていた時間を使って、北山地区の医療貢献を深めたい

しいのみセンター薬局 補助食の販売

患者さまの健康サポートに、低カロリーな補助食を販売

中澤薬局長:
「AI医薬品需要予測」については、使い続けることで、年末年始や長期の休暇期間中の抽出データも今以上に精度が上がると期待しています。「AI医薬品需要予測」の導入によって、長年の経営課題に対する改善に取り組むことができました。今後も、この北山地区から望まれる医療が提供できる薬局として、一層の業務の整備と効率化が必要になると思いますが、ITを効果的に取り入れ、迅速に対応していきたいと思います。

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