
第2回目の薬剤師コラム「あなたは病院で職業が薬剤師であることを伝える?」は思った以上に反響がありました。服薬指導の際、患者の職業を知っていることで、より服薬指導が充実するケースは多々あると思います。薬剤師同士の場合、事前に薬剤師だと知らせておくと服薬指導はスムーズに流れるのか、知っていることでデメリットが生じるのか、気になるところです。
薬剤師であることを伝えているのでしょうか
職業をあえて隠す薬剤師はかなりいらっしゃると思っています。私も服薬指導をしていて、薬剤師と名乗られたケースは数回でした。そんな私も薬剤師であることは伝えません。
私の理由は、単純に他の薬局では薬剤師がどのような服薬指導をしているのだろうか?そして何か参考になることが発見できたときは、自社薬局内でも反映させていました。下記はその一例とともに、私が考える今回のテーマについてお話をすすめたいと思います。
薬剤師の方の対応
私事ですが、服用できない薬が非常に多いのです。初めて服用する薬がある場合は、必ず主治医と一緒に確認し、処方箋を書いてもらいます。
さてそんな私が初めての薬局へ処方箋を出した場合、又は初めて服薬する薬が処方されたときは、薬が出てくるまで時間がかかります。私は薬局ですぐに薬が出るよりも、少し席に座り落ち着きたいタイプですので、少々の待ち時間は気になりません。
待合室から調剤室を見ると薬剤師の方がひとつひとつ丁寧に添付文書で確認している姿が見えます。本当に嬉しいことです。そして服薬指導時に「安心して服用してください」とお話ししてくださると「さすが薬剤師!そうだよね、薬剤師は患者へお薬を渡す最後の砦なのだから」と。私の副作用歴を薬歴で確認するとかなり緊張して投薬している薬剤師の方は多くいらっしゃいます。私が反対の立場だったら、同じくドキドキしていることでしょう。そんな時は、「医師に服用許可をもらっていますよ」とお伝えすることにしています。
一方で服用できない薬を伝えていたにもかかわらず、処方通りにそのまま渡してきた薬剤師の方もいらっしゃいました。原因は薬歴に私が伝えたことを記載していなかったからです。薬歴はすぐに記載する、すぐに記載できなければメモに取る、転記ミスはしない、患者のアレルギー歴・副作用歴等の更新を忘れないことが大切だとわかる事例でした(個別指導でもよく問われる項目です)。
