今後のリフィル処方箋 -骨太方針2023-

本記事では、2023年の骨太方針と中医協のアンケート等から、リフィル処方箋の現状と今後の展開をまとめています。

医療費削減を見込むも

22年の診療報酬改定でリフィル処方箋が導入された当時は、リフィルの導入・活用による医療費効果を、470億程度(改定率換算)を見込んでいましたが、実際の応需は極めて少なく、医療費効果は50億程度にとどまる見通しになりました。又、医療費適正化のため、OTC類似薬処方された場合など一定の条件で、薬剤師がリフィル処方箋への切り替えを認める制度、或いは薬剤師から医師へリフィルの切り替え提案を評価する仕組みを検討すべきと、打ち出しました。

財務省は「患者の希望やニーズの充足を阻害する動きがないかといった運用面を含めたフォローアップを徹底すると共に、制度の普及促進に向けて周知・広報を図るべきである。」と述べています。

リフィル処方箋の導入は、医療費削減や医師の業務時間削減にも繋がります。しかし件数が圧倒的に少ないのが課題です。又、医師による経過観察の機会は減るため、患者様の健康被害・医療事故には注意が必要であり、今後のフォローアップ・フィードバックの基準も課題の一つと伺えます。

 リフィル処方箋における医療費効果

リフィル処方箋における医療費効果

参照:財政制度分科会(令和5年5月11日開催)資料

 骨太方針2023

[社会保障分野における 経済・財政一体改革の強化・推進(抜粋)]

実は2010年から検討されていた?

2010年の「チーム医療の推進に関する検討会報告書」には、看護師等が委託患者の薬剤管理を行うことや在宅医療の場面で、薬剤師が実施できるにもかかわらず、薬剤師が十分に活用されていないことを踏まえ、リフィル処方箋の導入が検討されていました。医療の高度化・業務の増大がありながらも、患者様を中心とした質の高い医療提供を行うためには「医療専門職のタスク・シフト/シェア」などをはじめとする「チーム医療」の推進が必要であり、薬剤師の役割拡大の検討としてリフィル処方箋が上げられました。

骨太方針2023では、リフィルにおける明確な対応はまだ決まっていませんが、「医療専門職のタスク・シフト/シェア」などを推進する方向は2010年から変わらないため、今後も薬剤師の活躍の幅が期待されていると伺えます。

薬剤情報の閲覧で得た効果は?

リフィル処方箋が普及しない…
リフィルが普及しない理由の1つとして、まず患者様での認知の低さが挙げられます。「制度の内容まで知っている」患者様は、郵送・ネット調査共に4分の1以下、そして医療機関がリフィル処方箋を発行しない理由としては、患者の認知度に係る項目が上位に挙げられます。リフィル処方箋の利用件数を上げるためには、一人でも多くの患者様にリフィル処方箋を知って頂き、患者様からリフィル処方箋を希望されることも重要になります。様々な相談を受ける薬局としては、今後リフィル処方箋のご案内も必要になると考えられます。

 リフィルの認知

リフィルの認知

 リフィルを発行しない理由 上位4つ(複数回答)

 リフィルを発行しない理由 
 上位4つ(複数回答)

参考:中医協 令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和4年度調査)の報告案について

薬学的判断が問われる

リフィル処方箋の2回目以降は薬剤師のみで患者様の健康状態をチェックすることになります。現状リフィル処方箋の調剤を行う場合、疾患ごとにチェックしなければならない項目など決まりがありません。 又、医師や患者様にとって、リフィル処方箋でデメリットを感じる一番の理由は、「症状に気が付きにくいこと」や「医師に診てもらえないこと」とされています。薬局薬剤師は今まで以上のフォローアップやフィードバックを意識する、場合によっては医師と取り決める必要もあると考えられます。詳しい内容についてはお役立ち資料にて掲載いたします。是非ご活用下さい。

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