地域連携薬局に向けての現状と課題

━━━ 吉岡 ゆうこ      

 改正薬機法の第二弾施行として、今年8月から新たに地域連携薬局、専門医療機関連携薬局という「特定の機能を有する保険薬局」が認定される制度が始まります。この認定薬局の取得をお考えの薬局は多いと思います。特に多くの薬局が関係してくるのが「地域連携薬局」であり、一例として大阪府薬剤師会のアンケート調査では会員の半数が取得を希望している(1月時点)という結果もあり、大きな関心が寄せられています。

 そもそもこの制度化が整えられてきた背景には、2025年の地域包括ケアシステムの実施に向けた保健医療システムの中に薬局が役割を果たす目的の明確化がありました。時系列としては2015年6月に作成された「保健医療2035提言書」があり、この流れで同10月に公表された「患者のための薬局ビジョン」に示されたことが下敷きになっています。つまり「立地から機能へ」「対物業務から対人業務へ」というキーワードに示されるように、患者のニーズに対応する機能を発揮することを通じて、かかりつけ薬局・薬剤師として選択されること、そして多職種連携で地域包括ケアの一翼を担えるように方向付けられてきた結果がこの制度の成立に繋がっています。

 地域連携薬局として認定を受ける上での要点としては①薬局の構造設備②地域の医療提供施設との情報共有体制、および③利用者に安定的に薬剤等を提供する体制、④在宅医療に必要な対応ができる体制、という項目が挙げられます。

薬局の構造設備

プライバシーに配慮した相談しやすい構造設備や、高齢者、障害者等の円滑な利用に適したバリアフリー構造

地域の医療提供施設との情報共有体制

月平均30回以上の情報提供。他の薬局に患者の情報を提供できる体制

③利用者に安定的に薬剤等を提供する体制

無菌製剤処理を実施できる体制(無菌調剤室がない場合は共同利用や紹介でも可)や、地域包括ケアシステムに関する研修を終了して常勤として勤務している薬剤師の体制と勤務者に地域包括ケアシステムに関する内容を毎年継続的に研修を受けさせているか。それから地域の他の医療提供施設への医薬品の適正使用に関する情報提供

在宅医療に必要な対応ができる体制

居宅等を訪問して服薬指導をしているや医療機器や衛生材料を提供するための体制ができているか

 以上、4つの項目が求められています。「連携」がキーワードとなり、医療機関だけでなく薬局との連携も必要になります。この薬局と薬局の間の連携はこれまでになかった新しい視点といえます。

吉岡 ゆうこ

ネオフィスト研究所 所長 / 日本コミュニティファーマシー協会 代表理事  / 薬剤師

 長崎大学薬学部 卒業、恵愛団薬局、日本医科大学付属多摩永山病院、伊藤医薬経営研究所、アポラスステーション(株)を経て、それまでの実務経験を生かし伝授する場として、次世代薬局・薬剤師の創造並びに支援活動を行う(有)ネオフィスト研究所を設立。 現在は、一般社団法人日本コミュニティファーマシー協会代表理事。

製品・サービスに関するお問い合わせはこちらから

製品・サービスに関するお問い合わせはこちらから

Copyright © 2021 UNIKE SOFTWARE RESEARCH CO.,LTD.