導入事例

薬歴記載に費やしていた時間を、患者さんとの対話に。
AI薬歴導入で、変化した薬局のカタチ。

更新日:2025年11月15日

アポテーカヘルスソサエティグループ アポス安行薬局

  • 医療モール内の医療機関だけでなく、広く地域の処方箋を応需
  • 処方箋枚数は1日平均170枚
  • 高齢者から子供まで幅広い年代の患者さまが利用
アポス安行薬局 外観
  • 電子薬歴レセコン一体型システム『P-CUBE n』
  • 『P-POS AI薬歴入力オプション』
  • 薬歴記載による残業の削減やスタッフの負担軽減を期待し、導入
  • 薬歴記載業務を溜めないことで、残業時間の削減を実現
  • メモが不要になり、患者さまとの対話がより充実
  • 全店舗に導入し、グループで薬歴入力の効率化を目指す

今回取材した薬局 【アポス安行薬局について】

アポテーカヘルスソサエティグループは、東京・埼玉・千葉・茨城県で保険薬局10店舗を運営しています。

「地域の方々に信頼されるかかりつけ薬局」を目指し、薬剤師ならではの視点で健康情報コラムを発信するなど、地域医療への貢献に積極的に取り組んでいます。

アポス安行薬局は、2020年に医療モールのオープンと同時に開局しました。

駅前ロータリーに隣接し、駅を利用する人が行き交う場所に位置するため、広域から様々な患者さまが訪れるのが特徴です。以前は耳鼻科の患者さまが中心でしたが、近隣に内科が開院したことで高齢の患者さまも増え、取り扱う医薬品の種類や服薬指導の範囲が広がり続けています。

プライバシーと衛生面に配慮した服薬指導の環境
今回は、薬局長・DI担当の長谷川先生に、「P-POS AI薬歴入力オプション」導入して2か月が経過した現在の運用と効果についてお話を伺いました。

導入前の状況と課題

調剤や服薬指導の優先のため、 薬歴入力が溜まり、スタッフの負担に

AI薬歴導入前の薬歴記載業務の手順や課題について教えてください
AI薬歴を導入する以前は、服薬指導の際に取ったメモを元に、後で時間を見つけて薬歴入力をしていました。スタッフのタイピング速度に課題はなかったものの、患者さま一人あたりの入力には平均2~3分、長い場合は5分ほど要しており、薬歴の入力作業はスタッフの負担となっていました。 服薬指導と薬歴記載を効率良く行うため、グループ全体でP-CUBEシリーズに搭載されている「インタビューツリー機能」を積極的に活用していました。 この機能には、薬品ごとの説明・確認事項や、コンプライアンス・疾患等に関する服薬指導ガイダンスがデータベースとして搭載されており、テンプレート化された指導文を薬歴へ簡単に引用することが可能です。 しかし、このような便利機能を活用しても、夕方以降に患者さまが集中する時間帯には調剤や服薬指導が優先のため、薬歴の入力作業は後回しになり、薬歴が溜まります。結果として、溜まった薬歴の入力作業を行うための残業が発生していました。

導入の経緯

薬歴記載の負担を減らし、どの薬剤師でも同じレベルの薬歴作成を

AI薬歴を導入したきっかけや、決め手を教えてください

AI薬歴導入の直接のきっかけは、代表が2024年の日本薬剤師会学術大会が併設している展示会でその存在を知ったことでした。

「SOAP作成をその場で完結させることで薬歴記載による残業を減らし、スタッフの負担を少しでも軽減したい」「どの薬剤師でも同じレベルの薬歴を作成したい」という考えからAI薬歴に関心を寄せていたところ、ユニケから『AI薬歴入力』がリリースされたため、導入の検討が本格化しました。

導入前は、「音声認識はどこまで正確なのだろう?」という期待と不安が入り混じっていたものの、「薬歴記載業務がさらに楽になり、薬剤師のレベルアップもできる」という期待感と、薬局全体のDXを推進したいという代表の方針もあり、導入が決まりました。

グループ内で、当店がAI薬歴導入の1店舗目です。

導入の効果

残業時間の削減、業務の効率化、患者さまとのコミュニケーションの質の向上を実感

現在の利用状況を教えてください。
日常的に使っている薬歴システム上で「録音開始」ボタンを押すだけなので、戸惑うことなく使い始めることができました。現在は店舗の全薬剤師が利用しており、薬歴記載全体の95%でAI薬歴を活用しています。
導入により、どのような変化や効果を感じましたか?

現在、アポス安行薬局では全ての薬剤師がAI薬歴を使用しています。

導入後、薬歴業務には確かな変化が生まれています。

投薬後、その場で文字起こしやSOAP生成を行い、必要な部分を引用して薬歴の作成ができるので、薬歴を溜めることが減りました。結果として残業時間の削減につながり、業務が効率化されました

そして、大きなメリットとして、患者さまとのコミュニケーションの質の向上を実感しています。「メモを取る作業から解放されたことで、患者さまの表情や様子を見ながら対話することに、より集中できるようになった」という声がスタッフから上がっています。

一方で、AIが自動生成した内容と、薬剤師が伝えたいニュアンスとの間にズレが生じることもあります。例えばSの部分で、AIが話を端的にまとめすぎてしまうことがありました。

患者さまが話した言葉のニュアンスをそのまま残したい時もあるので、その場合は文字起こしの文章を引用する、またはAIが自動生成した文章を薬剤師が編集しています。

また、今まで特にS(主観的情報)やP(計画)は店舗や個人で書き方や内容に違いがありました。AI薬歴の自動生成を使用することで統一感のある内容になり、書き方についても参考になる部分もあります。

ただ、自動生成した文章のニュアンスをより正確にするために文字起こしを引用したり、自身で編集することもあります。

このAI薬歴機能が薬局現場にとってなくてはならない業務システムへとアップデートすることを期待しつつ、記載内容の標準化を推進し、薬局内で積極的に活用していきたいと考えています。

AI薬歴を使用する投薬口の様子。
マイクのみでスペースをとりません。
(※写真左の黒い円はAI薬歴用マイク)

今後の展望

AI薬歴と向き合い、より質の高い患者ケアの実現と働きやすい環境づくりの両立を目指す

アポス安行薬局さまの今後の目標についてお教えください

アポテーカヘルスソサエティグループでは、今後他の店舗にもAI薬歴を順次導入していく予定です。

SOAP生成精度の更なる向上に期待を寄せつつ、今後はAIの特性に沿った患者さまへの伝え方など、グループ間でノウハウを蓄積・共有してAIを育てていきたいと考えています。

文字起こしやSOAP自動生成の精度がさらに前進すると、大半の薬歴入力業務の自動化につながり、業務効率化が加速します。そして、効率化により薬歴記載における残業が減れば業務環境の改善に繋がり、薬剤師は安心して対人業務に注力できるようになると、大きな期待を寄せています。

AI薬歴という新しいテクノロジーと向き合いながら、より質の高い患者ケアの実現と薬剤師の働きやすい環境づくりの両立を目指します。

薬歴に反映させる内容を選択し、より満足度の高い薬歴記載を実現

文字起こしを引用することで、会話のニュアンスをそのまま薬歴に残せます(①)。

また、SOAP自動生成は何度でも行えるので、最適なものを選択することができます(②)。

薬歴に転記後、ご自身で編集することも可能です(③)。

自動化しつつ、最後は「ご自身の薬歴」を完成させることができます。

導入事例一覧

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