セミナーレポートVol.7

評価につながる服薬フォローアップ

セミナーレポートVol.7
服薬フォローアップの有用性とは

本レポートでは、2022年6月29日に開催されたオンラインセミナー「評価につながる服薬フォローアップ 」の講演内容などをご紹介いたします。

服薬フォローアップ セミナーレポート

本レポートでは、2022年6月29日に開催されたオンラインセミナー「評価につながる服薬フォローアップ 」の講演内容などをご紹介いたします。

セミナー概要

 開催日時

 2022年6月29日(水) 19:00-20:15

 対象

 薬局経営者、薬局管理者、薬局に勤務されている薬剤師の方

 内容

 「服薬フォローアップの有用性」
 東京理科大学 薬学部 教授 鹿村 恵明 先生 (しかむら よしあき)

服薬フォローアップの必要性

鹿村教授は、令和4年度の改定で従来の薬剤服用歴管理指導料が服薬管理指導料に変わり、薬剤使用状況等の継続的な把握・指導を行うことも明記されたことを挙げ、服薬フォローアップの必要性を示した。

悪性腫瘍の患者にフォローアップを行った場合は特定薬剤管理指導加算2(100点/月1回まで)、インスリン製剤等が処方された糖尿 病患者へのフォローアップでは調剤後薬剤管理指導加算(60点/月1回まで)が算定できる。服薬管理指導料・調剤後薬剤管理指 導加算が共に改定後に点数がアップしたことからも、薬剤師の対人業務に対する国の期待が伺えると説明した。

服薬フォローアップをどのように行うべきか

実際にフォローアップを実施する上での問題として、まず、「どの患者を対象とすればいいのかわからない」「フォローアップの具体的な内容が わからない」など薬剤師の理解の問題 、さらに薬剤師は「業務が忙しくて時間が取れない」、患者側は「電話などでのフォローアップへの敷 居が高く理解が得られない」というような双方の問題を挙げた。

そしてフォローアップが必要な患者について以下の場合を示した。

・初来局
・処方変更
・アドヒアランスが不良
・ハイリスク薬など継続的に副作用の確認が必要な薬剤が処方されている
・変則服用(漸増、週1回製剤など)の薬剤の使用 ・症状が安定していない

また、具体的なフォローアップの内容として、胃潰瘍の患者を例に示し、特別な質問をする必要はなく、再来局時に聞きたいことを早めに 伺うくらいの認識で問題ないと説明した。

服薬フォローアップを行う手段の問題点

厚生労働省の調査資料から、フォローアップの手段として電話を使うケースが多数を占めている現状を紹介し、電話で実施する場合の問 題点として以下の3点を挙げた。

△ お互いの都合が合わないと何回も電話をすることが必要
△ 新人など経験が浅い薬剤師では対応が困難
△ 世間話などでフォローアップの焦点がぼける可能性

LINEを活用する方法

そこで、電話に代わるフォローアップの方法として、鹿村教授が開発に関わったLINEと電子薬歴を組み合わせたシステム「フォロナビ」の活用メリットを紹介した。

✓ 患者が参加しやすい(同意を取得しやすい)
✓ 都合が良い時間に対応可能なので、薬剤師も患者も負担が少ない
✓ フォローアップ内容がコンテンツに組み込まれているため経験の浅い薬剤師も安心
✓ LINEでは問題のない部分のみ対応し、必要性がある場合は薬剤師が電話するというスクリーニングが可能

このように実際の現場で問題点となる薬剤師・患者の双方の手間を軽減し、電話では難しいフォローアップの問題点を解決できる可能性がある。またフォロナビでは図や写真を送信して説明ができ、フォローアップの内容を薬歴に反映できるメリットもある。

また、患者からフォローアップの同意を得るための声がけ例を紹介した。

「初めてのお薬が出ましたので来週お薬の効果や副作用を確認させていただきたいのですが、連絡してもよろしいでしょうか?」。(同意を 得たら、)「当薬局ではLINEによる確認も用意しており、電話と違ってご都合の良い時に回答できて便利ですよ。電話にしますか?LINE にしますか?」と患者に選択を促す。二択にすると同意を得やすいはずと説明した。

LINEを活用したフォローアップシステム「フォロナビ」の有用性

鹿村教授は「フォロナビ」を活用した吸入剤指導フォローアップの有用性を論文として発表しており、その中で患者アンケートの結果「今後フォロナビによるフォローアップを受けたい」が100%と高い評価を得たことを示している。

さらに、糖尿病指導のフォローアップについても論文がアクセプトされ、2022年8月に論文の公開が決まっている。平均年齢59歳、35名の2型糖尿病の患者を対象に、6か月間フォローアップを行ったケースで、初回来局時から薬物療法の経過に合わせて、フォロナビによる確認 を行った。その結果、患者アンケートでは分かりやすさの評価と、LINEによるフォローを継続利用したいとの評価が多数を占めたことを紹介。 さらにフォローアップ後の患者のHbA1c値に有意な改善がみられたことも説明した。

そして今後もフォロナビを利用したフォローアップの有用性を検証していくと説明し、今後は薬剤師の業務をデータ化しエビデンスを示していく ことが、薬剤師の業務の価値を高めることにつながるとの考えを示した。

【まとめ】服薬フォローアップの有用性

 ①フォローアップは難しく考えず、再来局時に聞きたいことを早めに聞くくらいの認識から開始。
 ② 薬剤師・患者双方の手間の軽減や効率化がフォローアップの継続につながる。
 ③実施するためには、患者から同意を得やすい声掛けの工夫を。

服薬フォローアップの課題解決を支援するICT “フォロナビ”

主催社のユニケソフトウェアリサーチからは、LINEと電子薬歴を活用したフォローアップサービス「フォロ ナビ」を紹介。多くの薬剤師が服薬フォローアップの課題と考えている「フォローアップの内容」「業務量の増加」「連絡スケジュールの管理」について解決策を提案した。

 負担軽減のためのオートメッセージ

電子薬歴から送信されたメッセージは、自動応答式。患者さまの選択した回答内容により、新たな設問を投げかけます。

フォロナビ LINE画面

 処方内容に応じたフォローアップコンテンツの利用

レセコン入力した連携した12カテゴリ・41種のコンテンツから最適なものを選択します。

フォロナビ コンテンツ

 メッセージの送信予約から受信を管理

①服薬指導時に送信予約を行うことで、時間に縛られることなく服薬フォローメッセージを送ることができます。
②リフィル処方箋の導入により、次回来局時付近でのフォローアップ(送信予約)にも活かすことができます。

加えて「フォロナビ」を患者さまと薬剤師がより安心して利用いただけるようにと「ビデオ 通話機能」をオプションでことを説明した。

↓ フォロナビの詳しい情報はこちら ↓

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