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朝食の炭水化物の比率で意思決定が変わる?

 重大な決定を下さなければならない日、朝食は卵とシリアルのどちらにすべきだろうか。リューベック大学(ドイツ)のSoyoung Park氏らの予備的研究で、朝食の内容が意思決定に影響を与えうることが示唆された。

 この研究によると、炭水化物と蛋白質の量により、意思決定が変化することが分かった。炭水化物の豊富な朝食を摂ると、不公平な提案を拒否する可能性が高まり、低炭水化物・高蛋白質の朝食を摂ると、たとえ不公平でも何も得られないよりはましだと考え、提案を受け入れる可能性が高まることが分かった。

 「高炭水化物食を摂った後は、チロシンというアミノ酸の血中濃度が低くなる傾向がある。チロシンは脳内の報酬系に関与するドーパミンなどの神経伝達物質の産生に重要であり、その増減は意思決定の変化に関連する」と、Park氏は説明する。

 「Proceedings of the National Academy of Sciences」オンライン版に6月12日に掲載された今回の研究では、まず、大学生87人にオンライン版の“最後通牒ゲーム”をしてもらった。このゲームでは、敵対者からの明らかに不公平な金銭提供の提案を受け入れるか、拒否するかを選ぶ機会が与えられる。拒否すれば相手も自分も金銭を得られないため、拒否を選ぶことは敵対者に対して“社会的制裁”を与えることを意味する。

 ゲームの実施後、学生たちの朝食の内容を聞き取り調査した結果、高炭水化物食を摂った人の約53%が不公平な提案を拒否したのに対し、低炭水化物食を摂った人では約25%に過ぎなかった。

 次に、男性24人に実験室に来てもらい、提供した朝食を摂ってから最後通牒ゲームを行ってもらった。ジャムとクリームチーズを塗ったパン、牛乳、リンゴジュース、リンゴとバナナという高炭水化物(炭水化物80%、蛋白質10%)の朝食を摂る日と、ジャムを塗ったパン、ハム、ヨーグルト、牛乳、大きいクリームチーズ1切れという低炭水化物・高蛋白質(炭水化物50%、蛋白質25%)の朝食を摂る日を設けて、ゲームの結果を比較した。その結果、やはり高炭水化物の朝食の後に、不公平な提案を拒否する可能性が高いことが分かった。

 神経学の専門家である米ノースウェル・ヘルスのLuca Giliberto氏は、今回の研究について、多くの限界点はあるが興味深い結果だと評価。「社会的交渉を食事で管理する方法について結論を出すことは難しいが、今回の知見は食事内容がドーパミンと関連することを示唆している」と述べ、低炭水化物・高蛋白質の食事によって脳内の報酬系を増強するチロシン濃度が高まり、その結果、不公平な決定でも受け入れる可能性が高まるとしている。

 Park氏によると、代謝には性差があるため、この研究では男性のみを対象とした。しかしそれでも、朝食の内容を変えたときの反応には個人差がみられた。「例えば、一部の人は高炭水化物食を摂った後でも、不公平な提案を受け入れていたことは興味深い」とGiliberto氏は話す。

 ただしPark氏は、特定の栄養素を制限する食事法に対しては慎重な姿勢を示しており、「バランスのとれた食事をすることが重要であり、1つの栄養素だけを偏って摂取するべきではない」と話している。

(HealthDay News 2017年6月12日)

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